自ギャグの詩
僕の通っていた小学校は、小さな小さな学校で、同級生は15人、男6人、女9人だけでした。
 そして、そんな仲間たちと小学校4年生の時、社会科見学で市内巡りをしていた時の事でした。
 市内巡りとはいってもとりわけ見たいような所もなく、ワイワイガヤガヤバスの中で騒いでいるのが楽しいような社会科見学だったのですが、最後のほうになって担任が皆、S先生に会いたくない?」と言ってきました。
 S先生というのは若い女の先生で、皆から好かれており、もちろん僕も大好きでした。
 でもその頃S先生は産休でしばらく学校を休んでいて、久しぶりに会えるのだと思うと嬉しくて「会いたい、会いたい」と15人皆口々に叫びました。
 先生も自分の思い付いた粋な計らいが生徒に喜ばれたのに満足げで、早速S先生の家にバスは向かいました。

 S先生の家に着いた僕らは、玄関前で「S先生、こんにちはー。」と言うと、ちょっと間を置いて先生は出てきました。
 赤ちゃんにおっぱいを与えながら。
 小学校4年生の僕は、その事態を冷静に判断し、「単に母親が赤ちゃんに母乳を与えているのだ、単に母親が赤ちゃんに母乳を与えている当たり前な風景なのだ」と割り切れるほど大人ではありません。
 ちょうど『エロ』というものが分かり始めた小4の男子にとって、それは大好きな先生がおっぱいを放り出している姿にしか見えませんでした。

 女子全員と男子のうちの2人だけが先生に寄っていき、「あー、かわいい赤ちゃん。」などとまるでおっぱいは見えない様子で話していましたが、残りの男子4人は僕と同じで恥ずかしいのと女子に何か白い目で見られそうな強迫観念で、先生に近づく事が出来ません。
 隅のほうに固まってどうでもいいような事をどうでもよく話していました。
 時間にして5分ぐらい経った頃でしょうか、そろそろ学校へ帰る事になりバスに乗り込みました。
 バスに乗った後も皆は窓から「先生さよーならー」と言っていましたが、その時もまだ先生はおっぱいを出しっぱなしにしていたので、僕ら4人は今さら先生を見る事は出来ません。
 そのままバスは静かに出発しました。

 しばらくバスが走ると、担任の先生が鬼のような顔をしてバスの後ろに陣取っていた僕ら4人の所にやってました。
 「何なの、何なの?あの態度は。S先生だってね、皆に会えるって楽しみにしてたのよ。それを先生を無視して、隅のほうに固まって、さよならの挨拶もしなかったでしょ。何考えてるのよあんたたちは!」
 何を考えてるのなどと言われても、「おっぱいいっぱい」なんてことを答えられるはずはございません。
 皆黙っていると、先生はヒステリックに僕らの顔が吹っ飛ぶぐらいのビンタをお見舞いして前の席に戻りました。
 その時、女子は「何となく私たちにも理由は分かっているのよ」的な感じで哀れな僕らを見ているように感じてなりませんでした。
 バスはそのまま僕らしょぼくれ4人衆と前のほうで無理して盛り上がっている様子の女子達を乗せて学校に向かいました。

 学校帰り、帰り道が一緒だったK君と自宅近くに捨てられていたエロブックを読み漁り、その日のエロ体験をどうにか上書きして消そうと思いましたが、何ヶ月か後に産休を終えて帰ってきた佐藤先生の目は見れませんでした。
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by onoono999 | 2005-04-13 00:52 | 自ギャグの詩


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