ミスチョイ あ~我が人生に悔いあり
小学校3年生の時、僕たち5人の仲間は、旅人でした。
 ゲームボーイのロールプレイングゲーム「Saga2」にハマって旅をしたり、人が行かないようなところに行ったりとほんとにほんとに楽しい日々でした。

 ある日、家の中で遊ぶのに飽きた5人は、メンバーの1人である高橋君の家を出て、旅に出ることにしました。
 今回の目的地は前々から僕が行ってみたいと思っていた、下水道です。その下水道は人が歩けるほどの大きさなので、旅人としては行かないわけにはいきません。
 とりあえず、水の中を歩くので長靴を取りにいこうということになり、5人は1度解散し、下水道の前に集合ということになりました。
 いよいよ突入です。入り口から入っていって、数mのところで、いきなり鉄柵がありました。
 しかし我々旅人はその程度のことではあきらめません。柵の横の隙間から横歩きで突入。まず、一番最初に入っていった僕は楽に成功。ほかの3人も楽に入れました。ちょっとデブの高橋君も何とか入ることができました。
 僕たちは真っ暗な下水道の中を懐中電灯の明かりを頼りに突入していきました。
 確かそこはゴミだらけで猛烈に臭かったんですが、本当に楽しかった旅だと記憶しています。

 30分ほど経った時でしょうか、Uターンして入り口手前の鉄柵まで戻りました。僕たち4人は柵から出て家に帰ろうとしました。
 が、1人足りません。デブの高橋君です。
 下水道の水でふやけたのか、彼が鉄柵から出れません。半泣きでした。
 4人は必死で彼の腕を引っ張りました。でもだめです。
 僕は、彼を助けるには大人の力が必要だと思い、高橋君の家に向かいました。
 しかし残りのみんなも僕の後ろについてきます。猛ダッシュで走る4人。
 その時です。僕の頭に「大人にバレたらヤバいよなぁ…」という考えが浮かびました。
 全会一致の判断でした。
 「高橋君が太っているのが悪い。」と心に何度も言い聞かせ、4人は解散しました。

 翌日、高橋君は学校に来ていました。僕は本当によかったなと思いました。
 それもつかの間、昨日のメンバー4人が担任に呼び出されました。昨日のことは高橋君の親を通じて担任に知らされていました。
 担任は僕ら4人に言いました。「何で呼ばれたかあんた達わかる?」
 答えました。「下水道のことですよね?それなら高橋君も一緒でした。」
 横の3人の顔は引きつっていました。
 僕が「しまった」と思った瞬間、僕の体は宙を舞っていました。担任のビンタです。
 担任は涙目で「高橋はな、あそこでずっと叫んでたんだよ。10時までな。助けてくれた人がいなかったらお前らどうすんだ!何でそうやって友達裏切れるんだよ!」と言いながら他の3人を次々と吹っ飛ばしていました。
 僕はボロボロ泣いていました。さらにそこから入ってはいけないところに入ったことと、さっきの僕の高飛車な発言に対しての計2回ずつ、4人で計8回吹っ飛ばされました。
 教室に泣きながら入る4人。クラス全員の冷たい視線。このことをクラス全員に言いふらし、こっちをチラチラ見る高橋君。
 僕たち4人は孤立しました。高橋君は他のグループに入りました。

 それから1ヶ月後、高橋君は引っ越すこととなり、クラスでお別れ会を開きました。
 僕らは彼にあらゆる思いを込めて4時間かけて『高橋君人形』というものを作りプレゼントしましたが、帰り道その人形がドブ川を流れていくのを見ました。
 今もあの下水道のとこを通ると、ビンタを思い出します。
 僕らまとめて大丈夫でしょうか?
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by onoono999 | 2005-05-09 00:19 | ミスチョイ


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